https://rev.hatenablog.com/entry/2023/03/25/123841
Text based entertainmentという言葉がある。いや、ない。先日思いついた。英語として成立しているのかどうかは謎。
文章を読む娯楽を指す。文章は製作コストが最も低廉だが、受け手の解読コストは高めという特徴がある。
スレイヤーズに代表されるドラマガ経由の1期ラノベブームを経て、電撃文庫は新人作家やエロゲライターにエロゲ絵師をつけて美少女表紙の小説っていう第2期ラノベを完成させた。特約店に集中配本することで返本率を下げ、利益率を確保することで新人のチャレンジの余白を残すって運用だったのかな。よく知らんけど。このシステムは結構上手く行っていた。でまあ、電撃に投稿→デビュー→売れる→ユーザーが電撃文庫に親しむ→売れ線作品以外も買う→売れる→『電撃に投稿すると期待値高いど!』→投稿する→良作が集まる→電撃文庫の価値が上がる→→ みたいな状況が続いていたわけだ。
それが崩れたのが「小説家になろう!」に代表される投稿サイト。2011年7月10日の魔法科高校の劣等生の刊行がマイルストーンかな。なろうの人気作が『新文芸』として次々に出版。「うちは、投稿作しか掲載しまへんで」という態度の電撃もどんどんスカウト始めるようになった。第2期ラノベブームを支えた人たちも、ライトミステリーに移行したり、一般文庫で記憶がリセットされるような小説を書いたり。小説界とは別口なのでよく知らないのだが、スマホでは長大なテキストを売りとするゲームが増えてそっち関連の仕事をする人も。ゼロ年代前半に隆盛を極めたエロゲも衰退しその人材の一部はラノベで活躍したが、ラノベの人材がスマホゲーム業界でテキストを担当し美少女絵がついて公開されるっていうのは歴史が繰り返す感はある。
現在の「狭義のラノベ」、電撃に代表される文庫メディアの縮小は海の道ができてウズベキスタンのサマルカンドが衰退したようなものでしゃあないって感じ。