エロゲ衰退論

"若さはプラズマ"という曲で 串田アキラは歌った。
「一人より 二人がいいさ二人より 三人がいい力も夢も そして勇気もそれだけ強く でかくなる」
要素は一つより二つ、二つより三つのほうがいい。


さて、エロゲの話。この場合、「エッチ要素を含むゲーム」ではなくて、「1990年代後半から00年代前半にかけて全盛期となったノベルゲー」の話とした方がいいだろう。
当時、ソフトハウスは流通(いわゆる問屋らしい)より金を借りて作品を製作、マスターアップからの製品一括納入で入金され借金を返済。小売のエロゲ屋は流通から作品を購入、消費者に販売していたそうだ。特典目当ての複数買いが少なくなかったという話もある。初動が命らしかったので、小売店はある種ガチャ状態だったという話もある。注文しすぎて売れないと、ワゴン行きとなり店長は誰彼るわけだ。
この、「ソフトハウス(レーベル)」、「流通・小売」、「雑誌やファンサイトを含めたエロゲファン」の三位一体がエロゲブームを回していたわけだが、2010年代以降はどの程度機能しているのか把握してはいない。


もちろん、葉鍵のような大型レーベルはコンシュマーに軸足を移し活躍してるようだし、少なからぬ同人サークルはコミケや、同人誌専門店、そしてネット流通で作品を発表してる。しかしまあ、あの頃とは違った回り方をしているようである。



https://rev.hatenablog.com/entry/2020/01/29/105119





 ライトノベルの場合「若者向けの軽い小説」は1000年前からあるって話もあるが、00年代前半から全盛期となった電撃文庫などライトノベルレーベルを中心とした小説、のこととしよう。
 電撃文庫が特約店制度で返本率を下げるなど流通改革に(ちょっと)成功したため損益分岐点が(ちょっと)低下し、新作新人作の投入が容易となり、PDSCの早回しが優れた才能の拾い上げに成功した、っていう印象がある。このシステムでは編集部が新人作家に一定のコミットを行うため「ちょっとめずらしいジャンルの応募作」で拾い上げ「王道ジャンルでブレイク」というパターンを可能にする(こともある)。SFからの「シャナ」とか伝奇からの「俺ガイル」とか。すっかり、なろう!に投稿し当たると書籍化、コミカライズというシステムに浸食されている印象はあるが。