コンテンツと戦後

"ウルトラマンとしての日米安保"

この設定に、戦後日本の「国防」の実態が凝縮されている。戦後の日本人にとって、日米安保条約とは「ウルトラマン」だったのである。

他力本願と言えば、あまりに他力本願とも言える、このヒーロー物語に、当時の少年たちは拍手喝さいを送った。戦後の日本人にとって米国は、やはり頼れる存在であり「超人」だった。

https://blog.goo.ne.jp/yamakawa21/e/80d6694863e4099b65574569d6286c32


ウルトラマン日米安保条約

ともかくウルトラマンは無条件の善意によって地球人を守ってくれる。
これと同じような善意をアメリカに期待しなくちゃいけない。
ウルトラマンシナリオライター金城哲夫さんは、沖縄の人ですね。これは重要なことです。
というのは、沖縄は1970年に復帰しています。ウルトラシリーズの初期は1960年代の半ばからちょっと後半ですね。まだ沖縄の本土復帰前です。
金城さんは非常に強い琉球ナショナリストなんですね。しかし、琉球は日本以上に小さな、言ってみれば弱い国なんですね。
だから、琉球は国際社会の中でのポジションをうるには、善意の日本に期待するしかない。
佐藤健志さんによれば、金城さんは、弱い琉球とそれを善意によって立て直してくれる日本との関係を、ウルトラマンと人類の関係に見立てていた。
これとまったく構造的に同じ関係が日本とアメリカの関係になる。
日米安保条約というのはこういう片務的な関係なんですね。

https://ameblo.jp/motokichi26/entry-12143836166.html


"宇宙戦艦ヤマト ガミラスナチスドイツか?"
http://takenami1967.blog64.fc2.com/blog-entry-125.html

ぼくら視聴者にはガミラスはドイツに見えていた。だからヤマトの旅は、佐藤健志氏の名著『ゴジラとヤマトとぼくらの民主主義』にあるように、「日本の立場を枢軸国側から連合国側に移した第二次大戦の物語」であるように見えた。

しかし、劇中の登場人物たちにはそうは見えていなかった。
それは彼らには、「よみがえったヤマトが核兵器の脅威を打ち破り、艦隊決戦の末に『アメリカ』本土に核以上の兵器をぶち込む」、そういう物語として見えていたのだ。
と、ぼくは思う。