CFRPはなぜ高い

http://www.gizmodo.jp/2011/10/why-is-carbon-fiber-so-expensive.html
炭素繊維の製造原価もあるだろうけど、生産性の問題が大きそう。
自動車では、マクラーレンF1というオーパーツ的プロダクトがあったけど、シャシー作成にはものすごい時間が掛かったとか。
最近のカーボンファイバーの採用は、RTMの進化が絡んでいるのかな。


オートクレーブという加圧可能な窯で焼き固めたものは極めて強靱で、ドライカーボンと呼ばれる。炭素繊維と母材(マトリクス)を予め馴染ませてある部材(プリプレグなど)をオートクレーブで焼き固めて生成する。生産工程が完全な手作業となりオートクレーブのような設備が必要で時間もかかるため、コスト高となり量産には向かない。使用はレース用の自動車フレーム、自転車フレームやパーツ、航空機の翼、宇宙工学、楽器ケース(チェロなど)などに限られる。

オートクレーブで焼き固めないものはウエットカーボンと呼ばれ、重量と強度の比はガラス繊維強化プラスチック (GFRP) と同程度に留まるが、安価・軽量で耐久性がよい。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%82%AD%E7%B4%A0%E7%B9%8A%E7%B6%AD%E5%BC%B7%E5%8C%96%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%83%E3%82%AF

成型方法としては、型に繊維骨材を敷き、硬化剤を混合した樹脂を脱泡しながら多重積層してゆくハンドレイアップ法やスプレーアップ法のほか、あらかじめ骨材と樹脂を混合したシート状のものを金型で圧縮成型するSMCプレス法、インジェクション成形の様に繊維を敷き詰めた合わせ型に樹脂を注入するRTM法、オートクレーブで熱硬化性樹脂を硬化させて成形する方法がある。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B9%8A%E7%B6%AD%E5%BC%B7%E5%8C%96%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%83%E3%82%AF

一般的なCFRP成形では、材料としてエポキシ樹脂マトリックスのプリプレグシート(一般的な厚みは0.1mmから0.3mm程度)を使います。 プリプレグシートには、一方向のみにカーボンファイバーを引き揃えたUD材と、タテヨコにファイバーを織り込んだクロス材があります。

成形品はUD材を同じ方向に積層して成形した場合と、タテとヨコに方向方向を変えて積層して成形した場合では、成形品の性能が大きく変わります。
又 カーボンファイバーにも多くの品種があります。 使う品種によって大きな性能差が出ます。

糸の品種・方向性で大きく性能の異なる製品ができます。
このことが規格品が流通しづらい要因となっています。

http://www.acm-neo.jp/menu02/


知ってて損をしないFRP業界用語集
http://www.tmx.jp/what%20is%20FRP/what%20is%20FRP.htm

LF-A

ボディにはふんだんにカーボンが使われる。イラストの外板部分では赤がカーボンRTM(金型にカーボン繊維を敷き樹脂を流し込んで熱成形する方法=レジントランスファーモールディング)。ドアやフェンダーなど青い部分はG-SMC(グラスファイバー強化プラスチック)でカーボンではない。キャビンモノコック(=バスタブ)は、カーボンプリプレグ(熱整形型に樹脂を配合したカーボン織物を貼り込みオーブンで成形するCFRPでも最も強度の高い工法)とカーボンRTMによるコンポジット構造。このCFRP製キャビンは元町工場のレクサスLFA工房が手がける。

http://www.carview.co.jp/road_impression/article/lexus_lfa/429/photo/6/

セミプレグ」は、東邦テナックスが独自に開発した大型成形物製造技術であるレジンフィルムインフュージョン技術*1に改良を加え、最も信頼性が求められるキャビン構造に適応する材料として、トヨタ自動車と共同開発したものです。この成形材料を用いることで、従来、最も信頼性が高く、航空機の一次構造体などに用いられているオートクレーブ成形*2によるコンポジットと同等の性能を実現しました。さらに、この技術は汎用性の高い炭素繊維を使用することができることから、供給安定性と低コストを実現することが可能となります。

なお、東邦テナックスは「レクサスLFA」向けとして、キャビン構造以外にも、ステアリングホイールディフューザー、アクティブリヤウイング、インテリア部品など多くのコンポジット部品を供給しています。

東邦テナックスは、自動車用途における炭素繊維複合材料の開発を重点課題の一つに掲げており、帝人の複合材料開発センターとの協業により、より高度な炭素繊維複合材料開発やさらなる技術革新を進めています。今後は、高級車だけでなく、汎用車への採用を目指し、炭素繊維複合材料の事業拡大を推進していきます。

*1 レジンフィルムインフュージョン技術:シート状に積層した炭素繊維に、真空環境下で加熱しながら樹脂を含浸させる技術。オートクレーブ成形に比べ、大型設備が不要で、安価な製造が可能。
*2 オートクレーブ成形:圧力容器内で、プリプレグを高圧下で加熱して成形する方法。高品質なコンポジットを製造する際に使用されるが、大型成形の際は多額の設備投資が必要となる。

http://www.teijin.co.jp/news/2011/jbd110120.html

787のCFRP採用部位

CFRPや、他の金属等とCFRPをサンドイッチ構造にした部材が、ボーイング787の表面の大半を占めている。重量比では、約50%がCFRPだ。

http://ascii.jp/elem/000/000/068/68955/

図で見ると、大半に見える