脳の中の倫理

脳のなかの倫理―脳倫理学序説
 進化心理学より、脳科学寄りな本。
 脳と名がつくと、どうも、交叉因子を過剰に持ち出し、「遺伝とIQは関連すると言われる。しかしこれは交叉因子の仕業なのだ。IQファシズムだ。煙草を吸わせろ」という内容かと危惧したけど、そんなことはない普通の本だった。


 そこで紹介されていた、カート・ヴォガネットの短編、「ハリスン・バージロン」が面白い。平等を実現するために、頭のいい人々には施行を邪魔するためにノイズを流すイヤホンを。美しい人々には、魅力的に見せないために、マスクを被らせる社会。いや、平等っていいですね。びっくりするほどユートピア