事実と評価、記述的表現と規範的表現

http://d.hatena.ne.jp/crow_henmi/20061228#1167272014
に関連して。


 えーと、○○が出版された(発売された)、というのは事実であって*1、爆発的に売れた、というのは事実の一歩手前にあります*2。「『○○万本売れた』というアナウンスがなされた」という記述は事実ですが、二重括弧の内容までは保障されません。ただ、PC-NEWSの数字は、各メーカーから発表される数字と、極端な乖離が無いため、指標として適している(というか、代替になるものがない)から頻用されています。○○という作品と、△△という作品の、類似を指摘することは簡単ですが、因果関係を指摘することは極めて困難です。当事者の証言があれば、別ですが。あと、良い悪い、売れた売れない、甘い甘くない、というのは、「私は」規範的表現だと思っています。他人に規範的証言を用いて、事実を記述して何が悪い、と説明する人間もいますが、価値基準に対して中立とアナウンスしておいて、規範的表現を滑り込ませる記述は是非見習いたいものです。

*1:正確には、私が事実と思う

*2:と私は思う。面倒なので以下省略