形式疑問文に答える話

http://d.hatena.ne.jp/kaerudayo/20060718#p2
1:

素朴に思うのは、なんで勤務医が続けられないの? なんでリスク高そうな個人開業の専門医院が増えるの?って理由をきちんと調べて、対策すればいいんじゃないかと。それがちゃんと行われていないから、こういう現状なんだろうが。

 日本の医療制度だと、料金は投入した医療資源に連動していません。ぶっちゃけていえば、軽症の人の3分診療も、重症な人の300分診療も、診察するだけなら料金は一緒です*1。すると、市中の開業医は、ニコニコと軽症な人の診察をして、重症な人、トラブルが起きた人の治療は病院に紹介状を書くわけですね。


2:

雰囲気が悪いところが多過ぎなのか、待遇が悪すぎなのか。助産師に関しては、シフトが妊娠・出産しても続けられる体制じゃありませんよと言うのもあり。これは、患者側からは見えない話なのだが、専門技術を身につけている貴重な人たちが、割と簡単にやめちまうのはどうしてなんだろう。業界の雇用システム自体に問題があるんじゃないの。って反省は、医療業界内部ではなかったのかな。

 すると、病院ではどうなるか。重症な人があつまると、雇用者からは儲からん、と言われ、受診した人からは、待ち時間が長い、とか、サービスが悪いとか、まあ、中略なのだけど、アメリカではこういう現象をStrawberry picking、美味しい苺は開業医や民間病院で摘まれてしまい、公的病院では、コスト割れな患者ばかり集まると。
 で、ストレスに耐えかねた医者が開業すると、1に戻り、リピートです。


3:

あと、某総合病院へ行ったら、産科といっても、「妊婦検診」より「不妊治療」の方が圧倒的に混んでいて、なんだかな〜と。確かに保険外の方が料金を決められて儲かる面はあるとは思うが、おいおい、結果に対して、責任取れよとか思った。

 あと、本当に命の危機にある人は、オカネも外来に並ぶ余裕もないんじゃないかな。悪性疾患とか外傷とか救命救急じゃなくて、眼科とか皮膚科とか不妊とかある種の美容外科が脚光を浴びるのが、動物化ポストモダンな現代かなと。

*1:誤解が凄くあるけど、解説しない