"安易な成果主義は企業を傍観者の集団に変える"

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20060223/230515/

 やや話が飛ぶが,最近,松井証券松井道夫社長は,「人事は好き嫌いで決める」と言ってはばからないという。「人間として接した時に抱く好悪の感情こそが,実力を測るもの。一緒に仕事がしたいと思わせることも実力の一つだ」という趣旨だと聞いている。

 これを教えてくれたのは,あるビジネススクールで松井氏の講演を聞いたという知人だが,そのスクールの生徒たちが年間のベストスピーチを投票したところ,松井氏のその講演が1位になったという。評価の仕組みがどうであろうと,経営者に「どんな人材を大事にしたいか」という哲学さえきちんとあれば,評価を受ける側にもさまざまに納得のしようがあるという一例かもしれない。

 「安易な」成果主義は、個人という単位での成果の最適化を強いる。
 最近考えていることは、コストには、金銭的コスト、時間的コスト、そして心理的コストがあるんじゃないかということ。心理的コストは、厳密には計量できないけど、加算減算とか演算は可能なんじゃないかな。夢とかやりがいとか、そういうもので増えてきて、ストレスで減っていく。ふつう、経営側は、心理的なコストは、月給に織り込み済みなので支払わない、関心が無い、という姿勢を取り、計測の意義を認めない、けど、従業員から見た場合、タコなPCの配給、PCの順番待ちなんていう状況で心理コストがどんどん食い潰されていく。すると、心理コストの減少を減らすべく、自分のPCを持ち込んだりして、それにnyが入っていて、なんていう連鎖が起こったり。この心理的コスト、おそらく溜めたり、戻したり、金と交換したり、時間と交換したり、できるものだ。面倒な作業手順は、時間コストをちょっと食い、心理コストを結構食い、それがモチベーション低下を招いて作業手順の無視を招いてトラブルに繋がるんじゃないかと時におもったり。