"議論のアンチ・パターン"の感想

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長くなってまとまりが付かないのでとりあえず登録。随時変更。


0.勝利条件
 議論の勝利条件は、
a. 相手を承諾させる
b. 司会者(聴衆)を納得させる
c. 自分の行動を変更しない
 など、様々です。単に、相手のリソースを消耗させるだけで勝利は見えるかもしれません。逆に、相手の承諾が勝利条件であれば、相手は、議論に加わっているフリをして、iPodで巫女みこ

ナースを聞いているだけで勝利できます。そういう場合、説得自体が無意味です。手持ちの強制力を行使したほうが手っ取り早いとおもわれます。逆に、敗北条件を確認することも重要です。

コクタイゴジゴジが守れれば、負けではない、という場合もあるし、「意志を貫けば負けではない」と本人が思っていても、銃弾によって意志の継続を確認できない状況に追い込まれる場合も

あります。



1.論点ずらし/論点はずし
 これは、基本的なテクニックです。基本は、メタとベタ。ぺたは応用。例えば、公社の民営化を話しているときに、それはそうと、イタリア戦艦の件は、と話が飛ぶと、司会者(聴衆)は呆

れるでしょう。敵の論点より、より具体的な点、もしくは抽象的な点、で反撃を狙います。「田舎の現状は」や「国家総体では」、と。「本題は違う」と指摘されたら、「あなたこそ本質を見

ていない。現場では(もしくは、全体的にみると)―――」と論点を変えましょう。そして、本質とは何かという論争に引きずり込めれば、もうそこはベトナムであり、イラクです。泥沼なの

です。



2.質問攻め
 議論は、証明の責任を負った方の負けです。あなたの論敵に、「発案(反論)したのだから、証明の義務がある」と強要し、心行くまでソースと数字を要求してください。根気が尽きたほう

の負けです。
a. 数字攻め:論拠の数字を要求する。結果を予想した数字を要求する
b. ソース攻め:ソースを飲ませる。しょっぱい。
c. 文献攻め:論敵と異なる文献を探し、これを読んだのかと主張。
d. 悪魔の証明:無いことの証明は難しい。論理を改変して、これを要求する。 



3.オウム返し
 具体例がおもいつきません。

4.愚弄・嘲笑
 引っ掛かって、愚弄嘲笑で反撃してきたら、大人気ない、こちらの論理に感情で対応しやがって、と返します。司会者(聴衆)の寒い視線を感じたら、釣れた、大漁、と去りましょう。


5.警告「コメント削除」
6.脅し「IPアドレス公開」
 やられた場合、"論理的"な反撃は困難です。痛い管理人のいるサイト、として2chで晒しましょう。でも、逆にさらし者になる可能性はあり。




7.詭弁だ!
 単独で使用すると、議論の放棄です。説得されなければ勝ち、という勝利条件では十分ですが。通常は、
詭弁だ!でガードキャンセル、論理のすりかえ、質問攻め、というコンボで用いるのがよいでしょう。


8.へ理屈だ!
 7との違いがわかりません。

9.暗示/憶測
 「で、何が言いたいの?」と聞かれたら、「そんなこともわからないのか」と答えておきましょう。


10.個人攻撃
 自分のキライな人はファシストで独裁者です。一人なら総理独裁、党ぐるみなら一党独裁、自分以外全員賛成でも、それは民主独裁だ、と世界の中心で叫びましょう。

附1. 自分の詭弁に反論された場合は、
「また、"アンチパターン"厨だよ」
「また、"詭弁の見抜き方"かよ」
と、飽きを表現しましょう。詭弁は、だれがどうみても詭弁なのですが、飽きをなにより嫌うネット世論は、味方に・・・なってくれるかもしれません。
「その説明は飽きた」
「環境問題は飽きた」
「郵政問題は飽きた」
など、利用法あり。


附2. 言葉遊び
 相手が提示した命題に、欠陥がなさそうな場合、相手の"言葉"そのものに矛先を向けることができます。言葉の再定義、などと併用しましょう。
 戦争より、平和がいいよね、と、ほぼ100%の人間が賛同するであろう命題だって、
 「現在のわが国は、どこどこと平和条約が結ばれていないので戦争状態だ」
 「どこどことどこどこは、現在、戦闘状態にあり、自国の利益を守るために戦闘状態を放置するのは人間としてどうか」
 と、難癖をつけることができます。
 言葉尻をつかまえる→言葉の再定義→言葉の意味について質問攻め→相手の解答間の矛盾を攻撃、というコンボをどうぞ。


 附1.に類似していますが、相手の使った用語それ自体を攻撃するやり方は、他にもあります。個人攻撃の言葉版。
 「部署に、現状に応じたIT化を進める必要があります」
 これも、非のうちどころがない命題です。IP電話かもしれないし、POSかもしれないし、FAXの変わりにE-mailかもしれない。単に、人材の変わりにPCを投入し、IPXベースな通信をIPベース

にしてコストを削減することかもしれない。こういう場合、
 「ITなんて言葉は陳腐だ」
 要するに、カテゴリーに陳腐も何もないのだけれど、カテゴリーに付随した「ブーム」は陳腐化することがある。これを、うまくすり替えます。



附3.論理展開の工夫
 一般的に、AならばBである、という命題を提示し、その真偽を問うのが論理であり、議論です。前提が自明なときには、Bであるか、Bでないか、という議論の形態を取ります。これを、改変

するのです。
a. (全てのAは全てBである)という命題に改変し、(全てのAは全てBである)は偽、従ってAはBでない、という展開に持ち込む。類型は多く、基本的にはAとBの関連を議論するところを、「

すべての」「ある」といった、プレフィックスの議論に持っていくことが大切です。最終的には、悪魔の証明でハメましょう。

b. BでないAは、―――である、と、A≠Bを自明のものとして扱い、後半に、常に真であるような命題と接続する。
例:「クソ撒き散らした総理は、クソをカレーと言って国民に出している。こんなことをゆるしていいのか」真偽を問うべきなのは、総理の行為がクソかどうかなのだが、執拗に「クソを食わ

せる行為の是非」(これは非に決まっている)を問い、真偽を真に誘導しています。レッテル貼りともいえるのですが、レッテルを自明のものとして扱うことで、レッテル貼付の妥当性の真偽

を問われることを回避します。あ、有名な例はこれ。ある行為が犯罪行為にあたるかどうかを議論しているときに、「犯罪者を弁護して被害者を苦しめるのかよ」いやだから、誰が被害者でだれが犯罪者なのか、それを議論しているんだって。