武しゃんはマンチキン

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 だから、武しゃんは厨ゲーマーである。マンチキンである。困ったちゃんプレイヤーである。互いの勝利条件を確認し、ルールを尊守して遊んでいる剣術家集団のコンベンションに乗り込んできて、彼らの社会的建前を盾にとって絡んでくる嫌な男だ。迷惑人間だ。いったい何が楽しくて、何を勝利条件にしてそんなことをしてくるのかわからない。剣術家集団からすると蔑んで遠ざけたいのだが、血気さかんな若者が挑発に乗って相手をしてしまい、当然負ける*7ので、外部からは「剣術家って弱いんじゃない? 武しゃんカコイイ!」と評価されてしまいやるせない。憤懣やるかたないとは彼らのことだ。まったくもって武しゃんは許せないのである。

別の言い方をしよう。実のところ、武しゃんにだって佐々木小次郎への信頼があるのだ。
 佐々木小次郎は、武しゃんをかなり信頼していたと言えよう。彼は、手紙を受け取るときその配達者が武しゃんの変装したもので、手紙を手にした瞬間にばさっと斬られて「果たし状を手にした瞬間から果し合いは始まるのだ、小次郎迂闊なり」と言われるようなことはないと思っていたであろう。毎日の食事に毒が入っているか否かもチェックはしなかっただろう。小次郎は武しゃんを信頼していたのだ。その信頼は巌流島でちょうどいい具合に裏切られた。裾を濡らし、櫂を武器として。信頼したから裏切られたのだ。武田鉄也の歌みたいだ。

 ゲーマーの視点。
 遅刻したり特殊な武器を使用した彼には強い違和感を感じていた。
 しかし、こう考えてみると、あれは彼なりのテロなのかもしれない。平和な社会への。