こびる・あびる

最近某同人出身の代表選手とでも言うべきハーレム漫画家のインタビューを読んだが、
なるほどと思った。
あの世界は「読者に気持ちよくなって貰う為の世界」であって基本的にライバルキャラに女が取られるだの
死ぬほど追い詰められるだの孤独で死ぬそうになるだのそーいう汗臭い展開は意図的に排除してるという。
「商業主義者だから流行を勉強してできるだけ媚びて描いてる」と開き直ってるのも共感。

「売れるための企画」が「俺の頭の中に在るから!」とか「これ絶対来るって!」とか言う俺理論で構成されてるだけの
糞Pに爪の垢煎じて飲ませてやりたい…。

媚びすぎるのも不愉快だがユーザーの嗜好に合うか出たとこ一発勝負だけってのは絶対的に問題あるよ…

客に媚びるのが悪いとは言わないけど、
その媚びてるってとこが見え見えな事や、
そうやって当人が媚びてる、と言い切っちゃうのが、
鼻に付く、という客もいるからね……
そういうのはさり気なくやれる人が、一番凄いと思う。

 こう、媚びるとか媚びないとかの議論の前に、供給側が一定の完成度を持っている、という前提がある。ブランドならブランドイメージ、作家なら世界観、食べ物屋ならその「味」。接客業ならキャラクター。客が求めるもの、を、主体性を破棄し、イメージを壊しても提供してしまうこと、それを媚びる、という。ダンボールごと持ち出すのはあびる。ある種のブランド、は、ブランドイメージを維持するために、安価なハンカチやタオルをライセンス生産でばら撒いたりしない。フランスの、馬印とかLV印とか。

 んで、客に接近し、追従して世界観を構築できる、そういうイメージのブランド・作家と、強固な価値観に客の方が一体化するブランド・作家とがある。芸風、という奴だ。えー、ファーストクラスクオリティーの1BOXが売れればそれを真似し、ボクシーなミニワゴンが流行ればそれをすぐさまデッチ上げる、中部地方の大メーカーもあれば、高くて運転のしづらそうなスポーツカーばっかりつくり、ワゴンもミニバンもオフローダーも作っていない、イタリアのメーカーもある。季節に応じて、タイ料理だの韓国フェアだのイタリアフェスだのぶちあげるファミリーレストランもあれば、ラーメンしか出さないラーメン屋、蕎麦しかださない蕎麦屋もある。
 要は、専門店を目指すなら、頓珍漢なメニューを加えるな、ファミレスを目指すなら、顧客の嗜好を第一に考えろ、ということかな。彼のこういう態度自体は、彼の日記で繰り返しのべれられていたことだけど。強化人間VSニュータイプ、とか。