『世界が終わる場所へ君をつれていく』 葛西 伸哉 (メディアファクトリー)

世界が終わる場所へ君をつれていく (MF文庫J)
読了。
 東北のある県に、突然落下した物体。そこから生え、周囲の建物を吸収し成長していく、銀の樹。避難勧告の発令されたなか、その銀の樹を見に行こうと試みる主人公。彼は、バス停で、一人の少女と出会う。少女は衝撃的な告白をする。あの銀の樹は、彼女を殺すためにやってきたのだと。
 
 少年と少女が、稚拙な逃避行のなかで、何かを掴んでいく話。広義の「走り系」に分類できるかも。MF文庫J、が好きなパターンなのかな。世界との接触を失った少女と、世界を知らなかった少年。その短い道程のなかで、少年は世界の輪郭を掴み取り、少女は少年を通じて世界を取り戻す。推定少女、なんかも似た系統。