9割君は、朝日新聞の天声人語を読んでいて(ちょっと古い?)、岩波こども新書も読んでいて、哲学に関する意見をいくつか知っている筈です。小学校六年生でも。だから、論説文の読解問題を見た場合、筆者がどの立場を持っていて、どういう結論なのか、それを頭の中から引っ張り出し、文章を読みながらキャリブレーションするわけです。もちろん、間違えることもあるので、その辺を校正していきます。
8割君は、論説文問題を一杯読み込んでいます。だから、同じような問題と回答を引っ張り出します。もし、それがいままでにないパターンであれば、それが彼のデータベースに登録されます。
7割君は、哲学についての知見を知りません。したがって、文を丁寧に読み、文中で文意を量って回答を作成します。この能力があれば、例え知らないテーマについての文章でも--Web2.0とか--「作者の主張したいブロックはどこか」という問題に回答することができるでしょう。
6割君は、普通の常識を持っています。だから、なんとなく文章をみれば、なんとなく回答が分かります。構造化された理解ではないので、なんとなく間違えます。
3割君は?哲学についての知見を知らず、文章を構造として読み取り、文中で文意を量る術を知りません。なので、
構造的に文章を読む能力を付けなければいけません。文章を構造化し、指示代名詞を解読し。知らない言語を、辞書を読みながら解読するのと同じですね。これは、かなり手間のかかる作業ですが、「自分の知らない分野の文章を読んで理解する」能力に欠けたままだと、知らないテーマ、新出問題に答えることができません。最低限、そうやって解説しないと、文章の意味も、回答が正しい理由も、理解できないでしょう。
これが国語の話。
理系であれば、ある概念の基礎概念が分からなければ理解は不可能です。足し算を知らなければ掛け算を理解することは困難です。
ここで問題となるのは、文章題などにみられる「モデル化」の能力です。年長さんの問題には、複雑なモデルが必要ですが、これをいきなり作成するのって難しいのです。
…小さなモデルを構築し、それをとっかかりに大きなモデルを作成する話を書こうと思ったけど飽きたので休止。
おまけ:質疑応答の時間
9割くん:「これってデカルト?」→「そう」
8割くん:「あの学校、左?」→「社会科の先生が、その、組合に」
7割くん:「この指示代名詞、ここじゃなくてそっちにかかるのね」→「そう」
6割くん:(そんな意味なのね。ふーん)→質問しません
3割くん:(で、結局なにが何だったのかな)→「ぜんぜん分かりません!」
さらにおまけ
ちょーてんさいくん:「先生!正解の理由を、哲学と論理と文法を使わずに説明してください!」→「はてなでやってね」
但し書:
あ、私は町立小学校から町立中学校に進んだ田舎者です。
上の文章は全部嘘なので真に受けないでね。