天気の子 ウソバレ感想

「狂った世界」と「普通の世界」の対比であるが、はたして、どっちが「普通の世界」なのか?


この映画の公開は、2019年7月18日金曜日。そう、第25回参議院議員通常選挙の前々日。改憲を目指す自民公明と、改憲阻止を狙う野党勢力との戦いである。
自民公明は、憲法を改正し自衛隊を合憲とし、多国籍軍に参加しペルシャ湾の安全保障に貢献、石油輸入に必要なシーレーンを確保しようとしている。
これは、我々の「普通の生活」を守るために必要な施策だが、この「普通の生活」は自明なものだろうか?憲法九条を護持し自衛隊を解散、そこから始める国が「普通の世界」ではないのか?


ここで、思い出さなければいけないのは、作品の舞台。映画の始まりも、映画のクライマックスも、代々木である。予報動画*1でも、中央総武線・山手線湘南新宿ライン・首都高4号新宿線で挟まれた地区に光が当たっている。あそこにあるのは、そう。"代々木"なのだ。


つまり、この作品は、「普通の世界」を守るために「普通の国家」同様に軍隊を所持しようとする自公でなく、"代々木"に注目せよ、という強いメッセージなのだ。



 -------------- 当然嘘だよ。 --------------



えーと、最初のJR総合病院(をモデルにした病院)の場面、ヒロインの陽菜さんが首に装着しているものと同系統の「石(宝珠)」を病床の母が腕に装着しているのが視聴者にわかるよう、はっきりと描写されている。
普通に考えれば"継承"だ。宝珠を「天気の巫女」の象徴とすると、それが継承されている可能性を示唆しているだろう。
神社の神主や立花冨美の発言を総合するだけで、「雨が降り続くのが本来の東京であり、巫女たちの人柱の上に晴れて湿地でない東京が成立していたのではないか(作品上は)」という疑念に至る筈だ。
そうであろうとなかろうと、ヒロイン達に人柱になる義理は無いんだけどさ。