『奴はワシが育てた』

100億男新海誠
君の名は。がヒットすると、「ほしのこえ」から見てた、って人が大挙して出現。まあ、あの時代、この界隈では一般教養だったしね。

虚淵玄

Phantom -PHANTOM OF INFERNO-(2000年、ニトロプラス
吸血殲鬼ヴェドゴニア(2001年、ニトロプラス
鬼哭街(2002年、ニトロプラス
沙耶の唄(2003年、ニトロプラス

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%99%9A%E6%B7%B5%E7%8E%84

と、初期のNitro+を代表する作品群のシナリオを担当しており、『虚淵玄はエロゲで育った』って言っても過言ではないだろう。


米澤穂信

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B1%B3%E6%BE%A4%E7%A9%82%E4%BF%A1

氷菓(2001年11月 角川スニーカー文庫 / 2006年 角川文庫)
愚者のエンドロール(2002年8月 角川スニーカー文庫 / 2007年 角川文庫)

と、デビューはラノベレーベルだが、内容は異能抜きのミステリー。

さよなら妖精(2004年2月 東京創元社ミステリ・フロンティア / 2006年6月 創元推理文庫

春期限定いちごタルト事件(2004年12月 創元推理文庫

クドリャフカの順番(2005年6月 角川書店 / 2008年5月 角川文庫)

犬はどこだ(2005年7月 東京創元社ミステリ・フロンティア / 2008年2月 創元推理文庫

このへんから、ミステリー系の執筆が増え、

ボトルネック(2006年8月 新潮社 / 2009年9月 新潮文庫
インシテミル(2007年8月 文藝春秋 / 2010年6月 文春文庫)

インシテミルは映画化されるなど、ミステリー方面での評判が高かった。

遠まわりする雛(2007年10月 角川書店 / 2010年7月 角川文庫)


こうやってみると、米澤穂信は『ラノベが育てた』っていうより、ちょっと経由しただけ感はある。


桜庭一樹

アークザラッド(1996年12月、集英社、ISBN 4-08-613244-3)山田桜丸名義

でデビュー。
散発的にラノベを発表したり、ゲームシナリオ、ノベライズなどを担当していたようだ。

GOSICK -ゴシック- 富士見ミステリー文庫 2003年12月15日(2003年12月10日) ISBN 4-8291-6229-5

この作品は武田日向のイラストなどが注目を浴び、たぶん代表作に。
一方、甘めな作風のGOSICK -ゴシック-と違い、

推定少女(2004年9月、ファミ通文庫、ISBN 4-7577-1995-7、2008年10月、角川文庫、ISBN 978-4-04-428103-8)
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet(2004年11月、富士見ミステリー文庫、ISBN 4-8291-6276-7、2007年2月、富士見書房、ISBN 978-4-8291-7634-4、2009年2月、角川文庫、ISBN 978-4-04-428104-5)

辛めな作風のこちらも注目。

少女には向かない職業(2005年9月、東京創元社ミステリ・フロンティア、ISBN 4-488-01719-3、2007年12月、創元推理文庫、ISBN 978-4-488-47201-6)

ここで『越境』

私の男(2007年10月、文藝春秋、ISBN 978-4-16-326430-1、2010年4月、文春文庫、ISBN 978-4-16-778401-0)

これで直木賞

ど真ん中の萌えラノベより、もうちょっと上の方を目指していて、推定少女・砂糖菓子あたりでラノベ業界に掠った、って印象かな。文学畑に越境したかと思っていたが、足を洗い切れていないっぽい…

有川浩

塩の街 wish on my precious(2004年2月 電撃文庫 / 2007年6月 メディアワークス / 2010年1月 角川文庫)

電撃文庫から出た「ラノベ」だったが、二作目からは単行本での発売。

図書館戦争(2006年2月 メディアワークス / 2011年4月 角川文庫)

で、人気作家に。

レインツリーの国(2006年9月 新潮社 / 2009年6月 新潮文庫 / 2015年9月 角川文庫) - 『図書館内乱』に登場する小説を実際に小説化したもの

三匹のおっさん(2009年3月 文藝春秋 / 2012年3月 文春文庫 / 2014年6月 新潮文庫 / 2015年9月 講談社文庫)

シアター!(2009年12月 メディアワークス文庫

阪急電車(2008年1月 幻冬舎 / 2010年8月 幻冬舎文庫
植物図鑑(2009年7月 角川書店 / 2013年1月 幻冬舎文庫

フリーター、家を買う。(2009年8月 幻冬舎 / 2012年8月 幻冬舎文庫

県庁おもてなし課(2011年3月 角川書店 / 2013年4月 角川文庫)

阪急電車以降、「泣ける作家」として評判になり、映像化も相次いだ。ラノベレーベルでの萌えラノベ(異能ラノベ)という、本家本流には掠っていないが、Wilipediaによるとラノベ作家を自認しているようだ。

七月隆文

今田隆文名義で、

Astral 全2巻(2003年8月-同年12月 画:ともぞ/電撃文庫
フィリシエラと、わたしと、終わりゆく世界に(2004年5月、画:水上カオリ/富士見ファンタジア文庫

など

七月隆文名義で、

白人萠乃と世界の危機 全2巻 (2005年1月-2005年4月、画:しろ/電撃文庫
イリスの虹 全2巻(2005年12月-2006年10月、画:平野克幸/電撃文庫

ラブ★ゆう 既刊6巻 未完(2006年11月-、画:みけおう/スーパーダッシュ文庫

SDに移って新規連載。なぜか未完なんだよな。

ハヤテのごとく!SS 超アンソロジー大作戦!!(執筆者の一人として参加、2009年8月、小学館ガガガ文庫

GGG

学園とセカイと楽園 全3巻(2010年4月-2010年12月、画:カワムラヒロキ/MF文庫J

MFJ

俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件 全11巻 (2011年11月-2016年7月、画:閏月戈/一迅社文庫

これで一山。

ぼくは明日、昨日のきみとデートする(2014年8月、宝島社文庫)

これで一般文芸で一山。
このくらい実績があると、『七月隆文ラノベで育った』って言っても過言ではないだろう。でもまあ、ラノベが偉いわけじゃないし、コンビニでバイトしてたひとが文学賞、って言っても、コンビニが偉いわけじゃないしな。

三上延

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E4%B8%8A%E5%BB%B6

電撃文庫

ダーク・バイオレッツ(2002年06月 - 2004年03月, 全7巻)
シャドウテイカー(2004年06月 - 2005年06月, 全5巻)
山姫アンチメモニクス(2005年08月 - 2005年12月, 全2巻)
天空のアルカミレス(2006年04月 - 2007年06月, 全5巻)
モーフィアスの教室(2008年01月 - 2008年11月, 全4巻)
偽りのドラグーン(2009年08月 - 2011年07月, 全5巻)

メディアワークス文庫

ビブリア古書堂の事件手帖(2011年03月 - 続刊中, 既刊6巻)

黒紫でデビュー。長らく、ラノベ専業状態だった。それでも10年は経っていないのね。偽ドラ連載中に発行された、ビブリアが超ヒット。軸足を移した感はあり。



でまあ、先日の話*1じゃないけれど、新海誠は、エロゲプロパーで活躍していた時期はなく、そうだな、「ロックバンドなどがメジャーデビューした後に、アニメの主題歌を担当」するようなものかな。人によっては、消してリライトしたくなるような過去だったりするのだろうか。