『祖国』

ヨーロッパ史における戦争 P146

グナウゼウがあっさりと言ったように「国民が有効に祖国を守るべきであるとするならば、国民にまず祖国を与える」ことが必要であった。

祖国とは、ホーヘンツォルレン家の単なる世襲財産にすぎなかったのだろうか。それはむしろより広くより崇高な概念たるドイツではなかったのか。

みぞゆうの危機にある「公共」のために、国民に奮闘して貰いたいという点で、立場の左右は一致していると思われるが、国民のモチベーションを上げるために、「美しい国」「憲法改正」「歴史の再評価」という経路を考える安倍政権と、福祉の充実・人権の確保などなどという経路を考える左派との溝はちょっと深そうではある。