ライトノベル衰退論

http://d.hatena.ne.jp/trivial/20090215/1234684114

ファッションブランドは、赤字出してもオートクチュールを作り、プレタポルテ、というか、冠をつけた香水で取り返すのだという話を読んだ事がある。レースで赤字出しても市販車で取り戻すとか、コレクションは赤字でも、ロゴ入りTシャツで取り戻すとか。ブランドのバリューとか価値とか信頼とか、そんな話で、功徳を積めば価値が上がり、免罪符みたいなのを発行すると価値が下がる(こともある)、という話。純スポーツカーメーカーが、つい4ドア車に手を出したりするようなものか。空冷の、リアエンジン車は衰退する、と考えて、フロントエンジン車を作ったら不評だった事例もあるか。そんなわけで、「ブランド(カテゴリー、ジャンルなど)を利用して儲けよう」という考え方と、「投資をして、ブランド(カテゴリー、ジャンルなど)を発展させよう、価値を上げよう」という考え方とのバランスは、皆考えるところもあるだろう。


で、電撃小説大賞は、どちらかといえば実験作、ジャンルの幅を広げるような作品を「大賞」に選ぶような風潮があるように思っている。だから、大賞でなく、銀賞とか選外の作品が人気を博したりする。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E6%92%83%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E5%A4%A7%E8%B3%9E
今回、15回の受賞傾向が、単なる変動の範囲内なのか、13回受賞作のその後を見て考えを変えたのか、角川の決算がむにゃむにゃなのか、ライトノベルというマーケットがシュリンクしてきて、そのなかでの最大利益を目指すようになったのか、など、考えると興味深い。