ケインズ理論

それにしても27日のテレ朝「サンプロ」はひどかった。ガソリン税暫定税率の是非を論じるのはいいが、道路建設乗数効果の期待できない失業対策にすぎず、ガソリン値下げの乗数効果との比較をひとつも論じられないのには驚く。政府が算出した暫定税率廃止によるGDPマイナス効果の予測は怪しい。社保庁とおなじく、例によってお手盛りの数字ではないか。暫定税率を維持すればガソリン高で車の走行自粛が起こり、地方の道路はがら空きになる。道路を増やせば増やすほど、がら空き道路が増えるという矛盾に誰も触れようとしなかった。

http://facta.co.jp/blog/archives/20080127000606.html

いい機会だから、新訳「一般理論」を読み直し(?)てみたら。ケインズ金科玉条にするつもりはないけれど、第三篇「消費性向」8〜10章は古びていない。古代エジプトが暮らしの役に立たない貴金属探しとピラミッド建設に血道をあげ、その巨富を築いたというケインズの皮肉(?)のきいた文章を味読するがいい。里山を蹂躙するあの醜い道路こそ、日本のピラミッドなのだ。

 ケインズの霊を呼び出して、道路を見せて感想をきいてみたい。
 「道路が作れなければ、空港をつくればいいじゃない」
 マリーアントワネットの霊でした。