火事と消防車

 その街では、時々火事が起こった。
 すると消防団が消火器をもって駆けつけたり、消防隊が消防車を並べて消火にあたったり。
 もちろん、残念ながら消火しきれず、全焼することもあった。
 それを見たある人は、素晴らしい発見をしたのだ。
 「火事に、消防がつきものだ。つまり、消防が火事を引き起こすのだ。半焼になった家屋をみたことがあるか。水浸しではないか。消防を呼んではいけない。彼らは、補助金目当てだ」
 

 多くの人は、そんなことを考えない。だって、小さな火なら消火器で、ボヤならボヤなりに、大火なら大火なりに消火すれば、火は消し止められるし、「全焼することもある」から、消火活動をやらない、なんて、不思議でしょうがない。消防車が10台来たって、消火が終われば放水は止めるし。あ、古い木造建築の時は、放水やめて検証はいると危ないよ。


 そんな人たちを余所に、「私はバケツの水で火事を防いだ」体験談がアップされていたりする。やぱり、優しい言葉を掛けた水なのだろうか。ネタをネタと気づいていればいいけど、フライパンの中華炒めに火がついた、どころではない火事に、いくらバケツの水を掛けたって仕方ないような気がするけど。