それでは、アメリカはどうか? 詳しいことは判らないが、こと膵臓がんに関して言えば1999年に設立されたPANCANと言う非営利団体が患者と治験・臨床試験を行なっている医療機関の橋渡しを行なっている。日本からの私の問い合わせに対しても、「力になれないかもしれないが」と前置きをした上で親切に対応して頂いた。
http://www.ohmynews.co.jp/news/20070928/15534
なんか、記事をよんだので、↑のキーで検索してみた。上から何番目かにあったのがこの記事。
ゼロ戦を改良すればいいんだ、という官僚
寺島:capecitabine(Cape)が結腸直腸癌に使えない国は、世界で三つしかないそうですね。日本がいかに遅れているかということです。それにCapeを胃癌や結腸直腸癌に承認しないのもおかしな話です。先にS-1が出ているから同じではないかというのですが、そういう話ではないです。使い分けするのは医師であって、厚生労働省ではないですから。
http://www.gi-cancer.net/gi/greport/asco/asco2003/talk2c.htm
久保田:抗MRSAの抗菌薬teicoplanin(TEIC)の承認が、vancomysin(VCM)を改良すればいいのだからと言って遅れた話がありますよね。それと一緒です。ゼロ戦は世界最強の戦闘機だから改良すればいいんだということで、52型まで改良はしたが、結局負けたという歴史もあるのに、です。
副作用に過敏なのは、マスコミの過剰反応が原因か。
厚生労働省が新薬の承認に積極的になってもらうためには、薬剤の副作用などに対する日本のマスコミの過剰反応も問題ですよね。
例え話があるのですが、あと30分くらいで乗っている飛行機が墜落して全員死ぬという状況の中で、今パラシュートで飛び降りれば10個にひとつは開かない可能性があるが、残りは助かるかもしれないと言ったら、誰でもパラシュートで飛び降りるのではないですか。
久保田:結腸直腸癌でRRが40%ほどあって2年生存すれば、たとえ死亡が3%あっても許可すべきじゃないかと言えるでしょうか。
大村:膵臓癌では5年生存率は数%ですよ。それを化学放射線療法の施行で10%になったとします。それならば、死亡が1%程度あっても治療を行う価値は全体としてあるのです。データを含めて、化学放射線療法を施行する妥当性を示すべきです。それこそ情報公開です。
DRGで悪化したアメリカの手術成績
大村:手術による死亡をみると、欧米は日本より数倍〜10倍くらい高いですね。確かに、医療スタッフが万全を尽くしたのに不幸な転帰をたどる方がいらっしゃり、その方は世界でただ一人の大切な人です。でも、全体として日本では、欧米より格段に安全に癌の手術が行われているのです。
寺島:日本でも胃癌の手術で死亡例が1%位あるのは、医師はみな認めていますよね。
大村:そうですね。でも、日本で現在ほど多くの病院で徹底した病理検索を施行していなかった30年前の成績よりまだ悪いでしょうね。stage migrationだけでは到底説明できません。日本の癌治療の歴史上、現在のアメリカほど胃癌の治療成績が悪かった時代は存在しません。
寺島:もしかしたら、diagnosis related group(DRG:疾患関連群 http://www.jmcnet.co.jp/drgh/drgindex.html)を導入する前は、アメリカの成績はよかったかもしれません。DRGを導入するようになり、胃癌の手術はすべてD0になってしまったわけですから。最近は、講演に行くたびに、stage別の5年生存率の日米比較の表を出して、日本も包括医療制度になればこうなるかもしれませんよ、と話しています。
アメリカ万歳、という人は、SiCKO!でも見たらどうかと思うが、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%B3
「日本の医療はアメリカに比べてどうこうどうこう」「でもあちらは値段が高くて」「そんなところまで真似る必要はありません」
というやりとりの文章をネットで眺めたことがあるので油断はできない。
私も、500円の定食食べながら、「この肉、不味いから、松阪牛にしなさい。」「でも、松阪牛は一ケタ高いよ」「そんなところまで真似る必要はありません」
と言ってみたいな。
「この肉、外国産?安心できないから、和牛にしなさい。」「でも、和牛は高いよ」「あなたは、健康をなんだと思っているんだ。健康には換えられないだろう。」もちろん、追加料金は払わないけどな。