免疫系は裏目

唐突に3、4ヶ月前の日経サイエンスの記事でみたガン細胞の染色体がずたずたになっている様子の蛍光写真を思い出す。ずたずたになっても普通の体細胞より元気だったりするのは不思議だよな。


細胞が癌化するには、正確な数は知らないけど十数回くらいかの、多数のメルクマールをクリアして行かなくてはならない。それは細胞に与えられたリミッタを一つまた一つと解除して行く事だ。曰く「無駄に増殖してはいけない」から始まって「周りの細胞のシグナルには従わなければならない」、「持ち場を離れてはいけない」とか「免疫系から命令されたら自死しなくてはならない」、「テロメアを伸長してはいけない」、「分化のカスケードを幹細胞の方へさかのぼってはいけない」そして「他の組織に浸潤してはいけない」までまで。染色体の崩壊もその途中で起こる事だろう。


なぜここまで何段階もの複雑なプロセスをすべてクリアする事ができるのか考えると、おそらく免疫系が攻撃するからなのだろう。つまり、免疫系が攻撃するからこそより悪性な細胞が生き残る淘汰がすすむと。


だとすると、むしろ免疫系の腫瘍への攻撃をなくしてしまえば悪性化せず良性に留まるのでは無かろうか。現代では外科的に切除しちゃえば良いわけだし。


という具合に、免疫系が裏目にでていて、現代の技術を前提にすればむしろ自然の設計は不適切では、などということを妄想した。

http://homepage3.nifty.com/mogami/diary/d0710.html#111

すばらしい。耐性菌が出るので、抗菌剤はなくしてしまおう。
犯罪者が組織化するので、警察はなくしてしまおう。
敵国が軍拡をすすめるので、軍隊はなくしてしまおう。