"子供を殺す「鬼母」 動物としての本能が消失"

http://www.j-cast.com/2006/12/07004179.html
こういうのを、自然主義の誤謬というのだろうか?


 あ、エントリーになにか書くときには「ネタだから」「トンデモだから」と書かなくちゃいけないような気がしてきたぞ。


 えーと、遺伝子は、「種族保存」と書いてあるわけじゃない。もちろん、「美しい国」、とも書いてない。「留保のない生の肯定を!」と塩基配列されていそうな人はいるけど。食事で言えば、「胃が弛緩すると不快な信号を出す」「胃が満腹になり緊張すると、心地よいという信号を出す」「血糖が下がると不快な信号を出す」「血糖が上がるとなんか信号を出す」「のどをなんか通過すると刺激を出す」こんなもんか。普通の人は、食いたいだけ食いたいものを食えば、概ね生きて行けるのだけど、高脂肪、糖分の多い食品、は、人間の仕様が決定された当時には想定されておらず、そういう食品に暴露される環境な場合、「本能のまま=欲求のまま」に摂食することは肥満・糖尿病を招くわけだ。本能は体の健康、という究極目標を保障していない。
 同様に、動物の本能は、「小さい生き物は可愛い」「馴れた生き物は好ましい」「想定外の行動をする奴(裏切り者)は憎らしい」みたいなフラグメントの集まりで、だから、犬が猫の赤ちゃんを育てるみたいな現象も発生するのだろう。「ちいさな生き物への愛着」の強弱にも個人差があって、まあそういう話だと思う。
 っていうか、子殺しや捨て子みたいなのは昔からある筈で、稀な子殺しを見つけてきて、「これは格差社会の/ゆとり教育の/右翼の/左翼の」みたいな話に繋げようとしているのかしら。