「ジャパニメーションはなぜ敗れるか」

ところで、ハリウッドでは、ストーリーラインの構築に多大な労力をかけます。いわゆる「脚本」以前のところでストーリーの制作に関わる職能がいくつも存在します。たとえば『モンスターズ・インク』のDVDのメイキングでは、スタッフたちが「お金の半分はストーリーの構築にかけた」と言っています。サリーのあのふわふわの毛をCGでだすことだけでなく、ストーリーに圧倒的なコストを割く彼らからしてみれば、すでに一定のヒットを達成した日本のアニメーションやマンガのリメイク権を制作費の1.5%かそこらで手に入れられるというのは、きわめて安い買い物だといえるかもしれません。

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