"エンタテインメント小説に求められるリアリティとは?"

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Q.リアリティとは、どう解釈すべきでしょうか? 例えば、エンタテインメント小説で内容を面白くするために刑法などについて架空の条文を引用することは可能でしょうか? 時代小説における考証の問題が取り上げられますが、忠実に表現することがリアリティの追求であれば、社会派小説で法律問題を現法に即して表現するのも同じことが言えると思うのですが?

A.リアリティとは、物語の虚構世界における辻褄です。それが現実に有り得るか否か、ではありません。
 道具立てから登場人物の心理描写まで全て、その虚構世界を支配しているルールに照らし合わせて、辻褄が合っているかどうか。法律に関しても同じ。これなどはSF本格ミステリーとして有名な『鋼鉄都市』『はだかの太陽』などを読んでみれば良く理解できるかと思います。

 リアリティーは、「物語内の整合性」であり、「読者の世界観、との整合性」であり、「現実の世界の整合性」、だ。現実世界の小説で架空の条文を設定することは、激烈な違和感を引き起こすに違いない。もし、その必要があれば、現実世界に似た異世界を導入すべきだろう。