日本酒とアル添

http://www.kanda-izumiya.com/sake/Label-hyouji.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%85%92

少量のアルコール添加で、お酒が美味しくなるということは、元禄の頃から分っていて、高級なお酒には添加されていたようです。発酵の弱い「弱小もろみ」への柱焼酎として使われたという補強救済のための記述だけが取り上げられていますが、高価であった焼酎を搾りの7日くらい前に少量添加する「高級酒造り」の記録も「童蒙酒造記」に残っています。純米酒はどうしてもしつこい酸が出がちで、味もくどく美味しく感じられないものがほとんどです。これにアルコールを添加すると、味も香りも軽くなり、美味しくなることが多いようです。

アルコール添加の悪いイメージは、太平洋戦争を目前にした昭和の時代に少ない食料を節約して、大量のアルコール添加と糖類添加で造られた「三増酒」をつい最近まで造っていたことへの業界の反省もあり、反動として過度に「アルコール添加は悪いこと」となっていると思われます。

 原料にお米と米麹と水だけを使って造られるお酒です。新しい品質表示の規定では、精米70%以下(30%以上を糠として削り落とし、なるべく純粋なでんぷんだけにする)のお米を使うようになっています。しかし平成16年からは「醸造技術の進歩により」という理由で精米歩合が表示の条件からはずされ、日本酒のワイン法は一歩後退しました。おそらくは灘や地方の大手蔵が採用するコストダウンの酒造り方法「融米造り」によるお酒の救済かと思われます。

ブランドを守るために、フランス(のワイン)は原産地呼称統制法(AOC法)で保護されている。独逸のビールも。日本は、手間を掛けてつくったから手作りだ、がまかり通る国だけど、そうするとブランド価値が落ちる罠。

 菊姫とか割と好きだけど、雪風とか月姫とか、ないかな。