米国人が撮影した戦後

 ビルのフリースペースで、写真展が開催されていた。終戦直後に日本で撮影された写真で、専門のカメラマンではなくて、主として一般の人の記念写真が発掘されたものだ。観客は若者から老人まで。笑い声や嬌声が耳障りだった。
 戦闘機の残骸、舗装されていない道路、木炭車、闇市、米兵に群がる子供。これは別次元の出来事でなくて、ほんの60年前に起こったこと。で、世界の一部、半島の北半分とか、アフリカの真ん中では、現時点で進行していること、でもって、他国の戦力が行使されれば、また写真の中の焼け野原に逆戻りすること、そんなことを考えていた。
 で、若い女性を連れた外国人の姿も。ここだけは、60年前も今も変わらない。