建前の意味

ttp://d.hatena.ne.jp/tsukimori/20050608#p1

 大人同士の"対決"では、相手方を一方的に徹底的に完膚なきまでに"やりこめる"ことができる可能性は、ほぼ皆無です。だから現実とその迷惑に中間線を敷いて、自分の妥協点をその境界線上に"ねじこむ"ことで、自分を取りまく世界の平穏を維持しようとするわけです。

↑の話題にも通じる問題。建前というのは共同体のルールである。ボールを相手のゴールに入れる、という本音があれば、手を使わない、という建前がある。建前を守るのが大人で、建前を無視して手でゴールを入れると神様になる。試合に遅刻し、消耗させて相手の集中力を奪うと、武士の鑑として持てはやされる。やったね、武しゃん。ルールがあるため、相手が不正行為、ファウルを行ったからといって、
・お前が悪い。一点を加えた上、謝罪と賠償を(以下略
と要求したり、
・お前が悪い。本来取れていた一点を加えた上、ステーキ代を(以下略
と要求することは通常ありえない。
フリーキックなり、ペナルティーキックなり、イエローカードなり、ペナルティーは相場が決まっている。倒されて、内心どう思っていても、後ろから蹴っ飛ばしたりしないのが大人だ(もちろん、カウントされなければ大声でアピールしなければならないのも大人だ)。ルールなんてクソ喰らえ、俺は本能の赴くままにボールを蹴るぜ。そんなチーム、プレイヤーは連盟から排除されることだろう。
 建前の消失は、共同体の消失の結果で、それは、建前を持たないDQNと、ありもしない共同体と効力の無いルールに縛られる何か、をどんどん量産するのだ。