- 作者: 結城充考,KEI
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2005/02
- メディア: 文庫
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妻子を殺されて無気力になった元組長が、修道院の警備を任され、孤児院の少女と触れ合うなかでかつての自分を取り返す話。老いや変節を、外在化させ言語化するための手段としてのサイバネは成功していると思う。宗教を頑なに信じる少女、ナツのツンデレ具合も○。
やや地味なのは、コンパクトにまとまっていることのトレードオフかも。このへん、賞目的であれば、価値観の転倒というのは一つのウリで、意外な世界の真相、意外な犯人、意外な動機、意外なトリック、意外な語り手(叙述トリックというアレ)、そういうものを散りばめたりするのだけど、そういうのでは少なめ。