ラーメン発見伝ネタ

http://d.hatena.ne.jp/NaokiTakahashi/20041210#p4


つまり、客寄せ用の、宣伝効果が高い、けどあんまり美味しくないラーメンを、情報誌を読んで食いに来るような軽薄で味の分からない客に食わせることで、地味で売りにくいけれど味は本物の美味しいラーメンを、少数の通な客に食べさせることが出来る、ということをストレートにぶっちゃけた漫画だった。
ちょっとコメント。

このお話は、
a:牛脂のたっぷり入ったコッテリラーメン(でも、鮎干しの風味はぶっ飛ぶ)
b:鮎の煮干から取ったダシの味が生きたラーメン(でもあっさり)
と、二つのラーメンを提示し、多くの客は前者を選んだのだった、というエピソード。

"美味しい"、この表現は多義的なので言い換えよう、"客がカネを払い、満足し、再び来店を決意させる"ポイントは、鮎の風味そのもの、ではなく、牛脂と"鮎風味という情報"であった、と。客は、本当の美味さ食通が好む味なんか求めてはいないんだ、この本を読んでるお前もそうだろう、というちょっと冷笑的な話。

 通にしか分からない、微妙な「味わい」ではなく、簡単に享受できる「旨さ」を、手段を選ばず追い求めのが、ラーメンであり、エロゲであり、ラノベであったのだと思うのだが。

美味しんぼでは、天然で自然で手作りのものは美味しいというパラダイムなんだが、この「ラーメン発見伝」では必ずしもそうではないという立場なのが面白い。

 なお、後日談で、ハゲの古い店での話がある。親友と思っていた奴が、美味い美味いといって脂をぶち込んだラーメンを喰いだしたときのハゲの衝撃といったらもう。