差別と区別と三車線道路

 いまのところ、三車線道路のような社会が実現されればな、と思う。
 速い人は追い越し車線を走り、遅い人は左側車線を走る。後ろから速い車が来たら進路を譲り、また右側車線に戻る。スポーツカーでもVIPカーでも、ゆっくり進みたければ左側車線を走り、ファミリーカーでもミニバンでも、速く走りたければ追い越し車線を走る。事情があって、徐行しかできない車は、ハザードを出しながらゆっくり左側車線を走る。後続車は、トロイと怒ってクラクションを鳴らすことなく、かといって道路全体で徐行することもなく、空気を読んで右側車線で追い越していく。三車線が実現できず、車線が狭いときには、まあみんなでちょっとゆっくり走る。事情があって、徐行しかできない車は、渋滞が掃けるまでちょっと待ってもらうかもしれない。
 事故が起きたら、緊急自動車の出番だ。路肩を空けておこう。
 そんな社会。