ニセ科学リストとかなんとか

 だいたい、科学には大枠がある。
 大枠から外れることは滅多にない。
 特別な条件では、日常的な科学概念の方が違うこともあるが、それは特別な話だ。


 たとえば、空気抵抗は、空気抵抗=(1/2)密度×速度の2乗×CdA、という公式があって、もうひとつ、流線型がもっとも抵抗が少ない、という事実がある。これは、戦前には既に知られていて、大排気量エンジンに流線型のボディーをのっけたアウトウニオンの車がアウトバーンで時速300kmを超えていた*1。で、自動車は、低速域では転がり抵抗など、メカニカルロスが抵抗の殆どをしめるが、高速域では空気抵抗が殆どを占める。時速100kmで半々?低燃費に挑戦する、エコカーランなんかでは、みな流線型のカウルを施している。
 で、流線型は外形に対する容積の割合が小さいので、流線型の尻尾を切り取ったような形が出現した。戦後のフェラーリなんか。あとは、アンダーカウルとか、揚力とか、そんなの。乱流は、抵抗を増すため、飛行機の翼端にはウイングレット、トラックのキャビンの屋根にはディフューザーがつくようになった。


 と、空気抵抗は、大枠のなかに位置ずけられ、実例はあちこちで目に出来る。


 そういう、大枠から外れた理論が、ニセなんとかと言われるのだとは思う。整合性のある理論と、疫学的データの両方、少なくとも一方は示されないと、どうもね。

*1:http://park1.wakwak.com/~audi-fsr/contents/history/silver_arrow.htm このへん。「V型16気筒6.3L 520hp」「時速434.5km/hを達成」