企業の差別化、四つの次元

企業の差別化、四つの次元

 しかしながら、わたしは必ずしもすべての企業がブランド構築を目指さなくてはいけないとは考えていない。いまだ理論的仮説の域を出てはいないが、企業の差別化の中心力として四つの次元を設定した市場オファリング・マトリクス(MOM)によれば、企業はおおよそ(1)コスト・マーケター、(2)テクノ・マーケター、(3)チャネル・マーケター、(4)ブランド・マーケターの四つに分類される。
 日本企業が競争上の優位を求めて世界市場に登場するとき、コスト上の優位性を基盤に登場する(コスト・マーケター)ことが多い。これらの企業は次第にコストだけの優位性にとどまらず、ある企業はチャネルの優位性に、また別の企業はテクノロジーの優位性に移動する。最終的にテクノロジーやチャネルで優位を占めた企業は次の段階としてブランドを確立しブランドでの優位性から来る高い収益性を求める(ブランド・マーケター)。つまりこのような発展段階説に従えば、すべての企業が即ブランド優位を築けるわけではなく、その前段階が必要ということになる。
 興味深いことに最近のダイムラークライスラーの合併では、いったんブランドでの優位性を獲得した企業が次の優位性としてコストに再び回帰する動きが認められることである。
 このように、コストからテクノ(あるいはチャネル)、さらにブランドという段階を経た企業は次にコスト優位性に回帰するという循環がここから予想できる。つまりブランド優位性は企業にとって最終的な目標ではなく、企業はコスト・テクノ・チャネル・ブランドという四つの領域を循環しながら発展していくことが想定できる。--http://adv.yomiuri.co.jp/ojo/02number/199807/07toku3.html

 企業の種類にもよるけど、衣服のように多大な投資を必要としない(これは錯覚かもしれない)場合と、自動車のように多大な投資を必要とする場合があって、という話かな。
 ともあれ、これはニュースサイトの盛衰にも参考になる話かも。