はげたかファンド

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はげたかファンドというのは、経営の傾いた企業(例えばカネボウとかダイエーとか)の株式を安く買い、それを再建して、保有株式を売却して儲けることを業とする会社です。

では、なぜアメリカに「はげたかファンド」があって、日本にないのか?

これは単純で規制と民営化の遅れのためです。規制とは年金基金に関するものです。現在、大型年金の多くは実は公務員年金(共済年金)であって、最大のものは公立学校共済60兆円です。これは全米最大といわれるカルパース(カリフォルニア教職員共済が母体)の2倍です。ところがカルパースは、民営化されていますが、公立学校共済は文部省キャリアが直接運用の主体を担っています。

そして、日本の年金へは実に多くの規制があり、その多くはキャリア官僚天下りの手段となっています。「はげたかファンド」は大量の資金を動員できるのですが、実はこの金はカルパースなど年金から来ています。つまりアメリカの年金は「高利運用」を目指すため危険を承知で、一定割合をこういったLBOファンド・ヘッジファンド・「はげたかファンド」に振りむけており、高利はアメリカ人の年金の受益者が受け取っています。

つまり、「はげたかファンド」の有無は日米の規制解除の度合いからきています。また、こういったリスクの高いファンドへの投資は高度のリスク管理が必要であって、シミュレーション一つとっても、日本の技術はアメリカに及びません。普通、こういったシミュレーションはスーパー・コンピューター1日で終わらないことがよくあります。