「誰が言ったか、何を言ったか」

「科学論文なんて、誰が言ったかじゃなくて、何を言ったかの最たるものだろ」
とか思ったが、ちょっと考えると論文は実名組織名が必須であり、そして論文の価値自体は「どこに載ったか」で判定されるので「誰が言ったかじゃなくて、何を言ったかが大事」の例には使えないな。
 思考実験としては、「アカデミアと無縁な研究グループが論文を無名の雑誌に投稿し掲載、そしてそれは世界を動かす大発見であった!」も考えられるが、それは猿のシェイクスピア執筆に近く、ある分野で特異的な業績を上げる人は、本人か監修者かはその分野にそれなりの造詣が深いことが普通だろう。学会での権威より、作成したデータが重要視される点では「何を言ったか」的だけどね。


 ネットバトルについては、「倫理水準を果てしなく上げてそれに満たない相手を攻撃し、自分らの分野で攻撃されると『その話はしていない』『論点をずらすな』って言いだす」事例*1が多いので、「誰が言ったか」と「スタンダードの揺らぎ」は重要だと思っている。

*1:誰でも侵さざるをえない罪を『原罪』と呼び、軽々しく責めてはいけないものだと思ってる