へんな顔をする人

 なんていうか、顧客に選択肢を説明するのが仕事なのだ。たとえば、「広くてカッコいい高級車ですか。一千万円ですね。ただ、大きいので狭いところは乗りにくいです」「二百万円だと、軽乗用車になりますね。そこそこ室内は広いけれど高級感は無いです。あと、取り回しは良いですが安全性は落ちます」「SUVですか。背が高くて見晴らしがいいですよ。五百万円です。あと、燃費は悪いです」「広さと高級感、そして価格を考えると、中古車もありますよ。新品のような保証はできませんが」みたいな。
 で、いるのだ。悪い話になると露骨に顔を顰める人が。

 
「この、広くてカッコいい高級車ですか。一千万円ですね。」「え〜〜〜〜?一千万円〜〜〜〜?」
「二百万円だと、軽乗用車になりますね。」「え〜〜〜〜?軽乗用車〜〜〜〜?」
SUVですか。背が高くて見晴らしがいいですよ。五百万円です。あと、燃費は悪いです」「え〜〜〜〜?燃費悪いの〜〜〜〜?」
「広さと高級感、そして価格を考えると、中古車もありますよ。」「え〜〜〜〜?中古車〜〜〜〜?」


 嫌な顔を相手に見せていれば根負けし、新品のベンツのSUVを200万円!燃費はリッター20km!! って選択肢が出てくるのかと思ってるのだろうか、と思いたくなるような話法である。しかし、それで幸福がやってきている訳でもなさそうなんで、それはそういうことなんだろう。