"2020東京オリンピックと「日本デザイン界の大きな時代遅れ」"

http://designist.net/blog/archives/2015/09/2020.html

私が問題にしたいのは、今回の東京オリンピックに関わるデザインに関して、計画的・戦略的・長期的コンセプトが存在していなかったこと、そしてわが国がそれほどデザイン後進国であったということです。
大体シンボルマークやロゴのデザインで、それ一つで完全な目的達成形状などありませんから、通常は核になるデザイン要素が決まると、それを補完するサブエレメントやサポートシステムを用意していきます。キャラクターの採用などはその典型例でしょう。

総合的な全体最適が優先されるアイデンティティ・デザインで最も重要なのは、「目の人」としての総指揮者の存在です。これはオーケストラがどんなに名演奏家を揃えてみても、優れた指揮者なくして見事なアンサンブルなど生まれ得ないのと同様です。

今般のオリンピックとデザインの関わりにおける根源的な問題は、最も重要な「デザインのトータルパワー」というポイントを理解している人物が、デザインに関わる内外関係者に存在しなかった、ということに尽きるでしょう。
まさに「今しか考えない日本人」「見事な部分職人としての日本人」の露呈としか思えません。


よく考えて見れば、オリンピックを招致した石原都知事-東京都 が一抜けた状態で、「指揮者のいないオーケストラ」どころか、指揮者もオーケストラも抜けたオペラ状態に。