"オランダが自転車王国になった背景"

http://waratte.nosmilenolife.jp/addone/vol001/

複数の要因の結果であるが、中でも重要なものは、オランダの空間計画、オランダの広範囲に及ぶ社会的交流・統合、そしてオランダの交通安全政策である。

その結果、非構造化されていない産業発展、非構造化ビル、帯状発展(幹線道路沿いに住宅などの建築物が並ぶこと)、開発計画外での投機的建設といったことの機会がオランダでは殆どなくなった。そしてこれによりオランダは、空間計画、空間レイアウトに関し、「過剰管理された」国であるという印象を持つことになった。この印象はその大部分において正しいといえるが、それは自転車を明確に位置付け、調和のとれた公共スペースの機能と形状の結果であることを認識する必要がある。

オランダの社会には階級的差別がない。貧富の差は比較的小さく、教育を受けていない人々、労働者、教育を受けた人々の間の差も殆どない。みな同じ住宅地に住み、子供達は同じ学校に通い、余暇の時間にはお互い出会うことも多い。賃金は、何年も前から政府の方針として水平化を実施している。もちろん、若干の違いはあるが大きな格差ではない。

そのベースは何世紀も前に築かれた。オランダは古くから世界有数の海洋貿易国であり、また、勤勉と倹約を美徳とするカルヴァン主義の国である。これにその他要因が相まって、現在の階級的差別のない社会が生まれた。

他の国々では何をどこまで取り入れることができるか

1.空間計画  これは、政府の強力な管理体制が必要である。パブリックスペースの開発において自転車を不可欠な設備にできれば、十分な物理的な空間を確保することができ、他の交通手段との調和を図ることができるだろう。

2.社会的統合  これは、単に模倣できるようなものではない。変化を求めるなら何十年も費やす覚悟が要る。しかし、自転車政策を成功させるためには、重要な条件だと言える。

3.社会参加  交通安全における社会の参加は管理することができる。政府がこれを統括し、刺激する役割を持ち、継続するように管理する。

以上/ユトレヒト市、都市計画・都市開発部(2006年)

オランダのユトレヒト市の分析。


専用道を整備しようと書いたポスターの枚数とか、そういうのではなくて、社会的統合が大前提ということだ。社会的統合があって、政府に強力な管理体制を与えることができ、そして都市計画を背景として、自転車へのシフトが実現できる。一方、我が国は…
「左翼が文句ばかり言うから美しい国に統合できない」
「右翼が捏造ばっかりするから政府に協力できない」
あと半万年は無理っぽい。