「1+1は2にならない」

 いやまあ、1+1は何時でも2であり、2にならない時は、"+"の演算子を算数とか数学とかの定義とは違った意味で使用している場合なんだけど、それは皆承知ってことで。


 送料なんかは、個々の重量や体積が微小である場合は、何個送っても一定である場合が多い。「1+1<2」である例である。「個々の価格の和+一定の手数料」の場合にはこういう例が多い。


 逆に、「1+1>2」ということも時々ある。「一定未満非課税」の場合、分割して購入すると非課税、一括購入だと課税、って場合だ。あと、あまり上手い譬えではないが、二基のエレベーターの耐用年数切れによる改装を考えてみる。


ビルに二基だけエレベーターがあり、階段の存在は無いことにしよう。たとえ話だし。一基のエレベーターを改装するのに、1.5ヵ月×4人必要だとする。
「なので、二基の工事が終わるまでに、三か月は最低みてください」
「え〜?三か月も我慢するの〜? 倍の人数連れてくれば1.5ヵ月で終わらない!? 営業は、『うちの社員は優秀です!!エレベーター工事は1.5ヵ月で終わらせます!!!』って言ったよ?3ヵ月掛かるなんて詐欺じゃね?」
ここで、
「はい、おっしゃる通りですね。じゃあ、倍の人間連れてきて1.5ヵ月で工事は完了させます!!!」
ってやると、酷いことになる。
「お客様の御希望通り工事しました」
で通らず、
「客の言った通り仕事するとは何事だ!」
って話になる*1
ほんとにそうすると、工事の1.5ヵ月の間、建物の二階以上には誰も出入りできなくなるためだ。


耐震工事みたいな改装でも、(ある程度余裕のある場合に限るけれど)一部分を閉鎖し工事、そこを稼働させたら、また別の一部分を閉鎖し工事、とやれば、稼働させながら改装できるが、一度に一定以上の割合で工事をするためには、仮のプレハブ施設を建設したり、工事中は完全に移転したり、もしくは稼働を停止したりする必要がでてくる。部分工事の繰り返し以上に面倒な作業だと思われる。


営業がどんな風に口を滑らせようが、「アンタ、知恵の出し惜しみしてるんじゃないだろうな」と疑おうが、その場所で稼働を継続しながら建物をリニューアルする方法は無い訳で、まあ、そんな状態の相手を宥めすかすのにすげぇ時間を食ったなあ。

*1:ヤクザのバックでもいればまた別かもしれないが