"超絶衰退する秋葉原――都市学者・クリスタラーの「中心地理論」が予言する秋葉原の未来"

http://d.hatena.ne.jp/baby_theory/20130120/p1

森川嘉一郎 "電気街とオタクの力学――秋葉原考現学"

 下文は『コミック・ファン』13号(雑草社、2001)に寄稿した小論の転載である。
http://homepage1.nifty.com/straylight/main/cmfntxt_.html

取材の過程で幾度も電器店、オタク専門店双方から強調されたのは、秋葉原のこのオタクの街への変貌が、あくまで需要が先行した、自然発生的なものだということである。主力商品が家電からパソコンにシフトしたことにより客層に人格類型的な偏りが生じ、これによって趣味的傾向のパターンが歴史や地理、行政、流通といった旧来的な構造に代わる新しい街の形成構造として、力を帯び始めたのである。

“アキバ”を支え続けてきた生態系を脅かす高層オフィスビル

 土地の価格というのは、近所で売買が行なわれなければ、本当の意味での実勢価格は分からない。売買が成立して初めて、そのエリアの相場がハッキリする。バブル期に地上げをまのがれたことで、秋葉原の地価は高騰せず、固定資産税も低い水準に据え置かれていたのではないだろうか。これが賃料の安い物件を生かしてきた。

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0812/hot562.htm

 問題は、こうした再開発が行なわれることで、秋葉原の地価が急騰することだ。地価が上昇すると、その地価に見合った商売をしなければならなくなる。かつてのように、裏通りのビルの一角からスタートし、というシナリオが成立できなってしまう。秋葉原の立地条件を考えると、オフィスビルというのは相当に有力なビジネスに違いない。


地方の小規模家電店 vs 秋葉原系家電チェーン vs 新宿・池袋カメラ店
という構図に、急成長した郊外型家電店、YKKが参入。秋葉原系家電チェーンは壊滅に。
Laoxサトームセンなどの小型郊外店やテナントがあちらこちらにあったけれど、2000年あたりを境に壊滅した印象。石丸電気(と、ラオックス コン館に代表される、秋葉原の大型旗艦店は、秋淀によりその意義を失った印象はある。有楽町のビックカメラの影響もあるのかも。