"マズローの基本的欲求の階層図への原典からの新解釈"

マズローが恐れていた「基本的欲求の階層は不動のものではない,次の欲求が現れる前に前の欲求が100%満たされなければならないという誤った印象を与える」

http://arch.slcn.ac.jp/dspace/bitstream/10285/2806/1/kiyo35-2008028.pdf

p35.


 粗雑な生物行動学を考えると、「生き物は、死ぬと死んでしまう。死ぬと子孫をのこせず、種は消滅する。従って、自己保存は最大の目標となるべきであり、低次要求は何よりも優先されるべき」となり、寝食を忘れて何かに打ち込むことを説明できない。そういう点で、Maslowの階層図は便利だと思う。もちろん、「裕福でない家庭の子弟が、スポーツ選手やロックスターを目指す」現象は、低次要求が100%満たされないうちに高次欲求が出現する現象であり、「次の欲求が現れる前に前の欲求が100%満たされなければならない」ことの反例だけど、まあ、みんな、「こまけえことはいいんだよ」とスルーしてるよね。