困った「消火隊」

あるところに「消火隊」がありました。火事を消すのが仕事です。しかし、その「消火隊」、最近困った出来事が増えてきました。
なんと、"水を使ってはいけない"、脱「水」消火法がブームなのです。


「えー、火事はここですか」
「そうだ。速く火を消せ」
「放水しますね」
「何!水を掛けるのか?水を掛ける消防士は信用できん」
「えーーーーー????」


なんでも、
「ぼやに放水されて家財道具がダメになった」
「川で溺れた人を知っている。お前が掛けるのも同じ水だろう」
「水を掛けて火を消すと、水依存症になる。水なしで生きられなくする消火隊の陰謀だ」
「すべての火事が、放水で消火できるわけではあるまい」
などの理由があるとか。


「いやだってさあ、火があるんだよ。まず、それを消してから、あれこれ考えたほうがいいんじゃない?」
とかいうと
「その上から目線の喋り方が、脱「水」消火法を流行らせるんだ」
との反論が。
「えーーーーー????」


そんなわけで、脱「水」消火法は大流行。ボヤをオイノリとかお札、壺で消し止めます。
脱「水」消火隊は、100%の消火率を誇っています(但し、脱落例、不誠実な例を除く)
そして、「消火隊」は、今日も「脱落例」の消火に追われている、のだった。



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