ときどき困る話

まあ、なんていうか、オイラの仕事は、車ショップでのカーステレオ取りつけ係みたいなもんだと考えてくれ。
くれなくてもいいけど。一つの比喩だ。
もちろん、「カーオーディオシステムのインストール。オリジナルバッフル製作」なんて偉いもんじゃない。
当然、アンプとかスピーカーの研究開発なんかじゃないよ。


でまあ、内装外して、新しいのつけて、元に戻してハイ終わり。簡単な仕事です。


ところが、そんな簡単な仕事でもなかった。
「はい、古いの外して新しいのつけた。でも動かなかったよ。」
「何それ困る」
「困るったってねぇ。オタクの車、もう古いでしょ。電装かなり死んでるよ。ディーラーで何とかしてもらいなよ」
「私は、音楽聴きたくてここ来たんだ。お前なんとかしろ」
「えー」


最近は、受ける前に色々喋るわけだ。
「くるまは としが たつと ふるく なります」
まあ、カプラより上流は責任もたんよ、とか。
ところがところが。
「あー、電圧低いですね。ちょっと新しいユニットの装着は駄目かもしれませんね」
「何ーっ! ちゃんと、定期点検出して、車検もちゃんと受けたぞ」「電気系統をパワーアップする、なんとかアースとか、かんとか添加剤も使ったのに」
「…文句はディーラーに言ってよ」
「バッテリー活力剤を使ったんだぞ。活力が上がる筈じゃないのか」
「えー」


まあ、ときどき、そんな感じ。