なんかのたとえ

植える

 種を、そのへんに、ポンと投げても、あんまり育たない。
 播種床をつくって、苗を育て、それを植えたほうが、便利なこともある。
 で、株同士が接触すると、刺激が生育を早めるが、あまり接触が激しいと、お互いの成長を抑制し、また、養分を吸い取ってしまうので間引きが必要な場合もある。
 植木鉢に移植する場合は、大きければいいわけじゃなくて、適切なサイズがいいらしい。理由は不明。ただ、植木鉢だと盆栽は作れても、大木を育てるのは無理だよな。

増やす

 とある種類の細胞を増やすときには、一定の密度になるようにシャーレに入れる。あんまり密度が濃いと、細胞同士が接触し、増殖を停止してしまう。接触阻害という機能が作動するのだ。じゃあ、疎に播けばいいか、というと、そういうわけでもない。細胞は、それ自体増殖因子、というシグナルを出しており、適度な密度になっている場合、増殖因子の作用で増殖が盛んになる。疎に播くと、増殖因子の作用が働かなくなるので、増殖速度が低下してしまう。


時折、そんなことを連想する。