ドイツ国民は人口増加と出生率低下に直面していた。生殖や生命を社会的にコントロールする考えは、この当時の一つの科学主義であった。

ドイツ人像を美化する為、ナチはユダヤ人像を極端に傷つけて国民の関心を集めた。さらにそこに反共意識を重ね、国民に反ユダヤ、反共意識を植え付けた。その活動方法はパレードで市民の関心を集めるという派手なもので、体制そのものをラジカルに変革するというメッセージを送り続けた。支持層は、農民、手工業者のみならず、階級、階層を越えた。

ナチの論理は、パイは一定、他国の取り分が大きいとその分ドイツは苦しむと主張した。大衆消費社会に突入した市民はヒトラーの人間像に自分達の願望を投影した。

同時にナチは巧妙に人々の小市民生活への憧れを刺激し、これを民衆の一時的陶酔感に利用した。ポスター、旅行、ラジオに時代の雰囲気を見ることが出来る。非政治性、すなわち政治からの自由な空間は、民衆のナチ体制への合意を形成した。ヒットラーは国民に復讐意識を持たせ、戦争はユダヤ人壊滅へと結びつけられた。

http://www.eva.hi-ho.ne.jp/nishikawasan/new3/nati.htm

ナチズムの時代、お茶の水大教授山本秀行著、世界史リブレット49、山川出版社



そういえば、最近「若者の車離れ」が叫ばれるが、どっかの政党が廉価な自動車*1を一世帯に一台、とかぶちあげると支持をあつめるかどうか気になる。

*1:たぶんEV