"医療批判と目くそ鼻くその厚生労働省批判"

http://d.hatena.ne.jp/bewaad/20081023/p1

 いろいろ難しい。
 予算に合わせた実装を、というのが自分の主張なのだけど、自明の生存権が先にきて、生存権の保証が先。財源はあとからついてくる、くらいならまだいいほうで、財源がないのは悪人が食いつぶしているから。悪人をゲバ棒と洋書で袋叩きにすれば、ルソーの自然状態になる、みたいな論もあるかもしれないからな。


 よく、創作だと「医療費のために莫大な借金」みたいなシチュエーションがあるけど、日本の場合は治療費本体ではそういうケースは高額医療制度*1や、場合によっては生活保護でカバーされる筈*2。あと、人工透析を50歳超えても導入するような政府は、世界的に見ても太っ腹とは思う。薬事行政については、例えばFDAと比べての人員不足は以前にメモしたとおり*3



 ただ、マクロ的な話とは別に、医療費の分配がうまく行っておらず、救急医療のような分野ではコスト割れになって、崩壊が進んでいる責任は、コスト配分をした厚生労働省側にあるのか、それとも「救急募金」をつくって、ベンツにのっている開業医が募金をして救急病院を支えない医師会側にあるのか、意見は分かれるところだろう。

っていうか

 厚生労働省が自前で病院つくってみればいいんじゃね?
 公務員試験に通って採用したら、それからメディカルスクール通わせて、免許とらせて公務員として働かせるの。公務員なら、僻地だろうがなんだろうが、移動は通達でOKの筈。職業選択の自由とか文句も付けられないし。「公務員の増員なんてとんでもない」という国民も、このご時世なら納得してくれるかも。ただ、それで、部門赤字になった場合、悪いのは誰なんだろ。それとも、「あなたの病名で支払えるガーゼは○枚までです。なので、これ以上はガーゼ貼れません。文句があれば、立法に働きかけて法改正をしてください」という運用になるのだろうか。

*1:http://www.sia.go.jp/seido/iryo/kyufu/kyufu06.htm

*2:移植医療は、海外で億単位の経費がかかるが、それは、厚生労働省のせいでなくて、こどもがかわいそう、という民意だし

*3:http://d.hatena.ne.jp/REV/20071108/p6