何を原因とし、何を結果とし、どのような事象を因果関係と呼ぶか

因果関係の妥当性

因果関係の妥当性(criteria of causal association)は、記述疫学の結果を分析疫学で分析する前に、「少なくともこれは満たしていなければ仮説としておかしい」と言う基準である。妥当性を検証する基準は諸説あり、Kochの3(4)原則、Evansの8条件、Hill の9基準(視点)等がある参考文献5。Surgeon General(米国公衆衛生局長諮問委員会)の5基準を以下に示す。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%96%AB%E5%AD%A6

* 関連の一致性(consistency)

違う国、違う時代でも同じ事が起こるか(人、場所、時間の関連に普遍性があるか)
o 例1:X社製パソコンを使いさえすればAさんでもBさんでも営業効率が上がるか
o 例2:X教の壺を買いさえすればAさんでもBさんでも金運が上がるか

 親の年収が上がれば、AさんでもBさんでも学力が上がるか

* 関連の強固性(strength)

効果が定量的か(量-反応関係が成立するか)
o 例1:X社製パソコンを導入すればするほど営業効率があがるか
o 例2:X教の壺を買えば買うほど金運が上がるか

 年収が上がれば上がるほど、学力が上がるか

* 関連の特異性(specificity)

原因のある所に結果があり、結果のある所に原因があるか
o 例1:X社製パソコンを使った人の効率が上がり、且つ、効率が上がった人はX社製パソコンを使っているか
o 例2:X教の壺を買った人は金運が上がり、且つ、金運が上がった人はX教の壺を買っているか

 年収が上がった人の子弟は学力が上がり、且つ、子弟は学力が上がった人は年収が上がったか

* 関連の時間性(temporality)

原因→結果の順になっているか
o 例1:X社製パソコン→営業効率上昇の順になっているか。

営業効率の上がった人が後からX社製パソコンを導入しただけではないのか

o 例2:X教の壺→金運上昇の順になっているか。

金運の上がった人がお金が出来て後からX教の壺を買っただけではないのか

 子弟の学力が上がり、その後、年収が上がっただけではないか(これはなさそう)

* 関連の整合性(coherence)

既知の知識体系と矛盾しないか
o 例1:一般にパソコン導入は効率があがるのか
o 例2:一般に壺の購入は金運が上がるのか

 一般に、投入資源で学力が上がるのか


このへんの話について。
http://d.hatena.ne.jp/kmaebashi/20070830