http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20070122/117394/?P=1

目の前が真っ暗になりながら、お父さんは親戚と友人の元に出向き、借りられるだけのお金を借りました。しかし、必要な治療費は30万元。日本円にして400万円です。中国よりずっと裕福な日本でも、庶民にとっては大金になるような治療費を、中国の農民がどうにかできるはずもありません。集めたお金は焼け石に水でした。

 カネがないからダメになった、という意見に、僕は素直に賛成できません。紹介した中国の少女の家庭は貧乏だったけれども、少女を優しい思いやりのある子供に育てました。お金はなかったですが、少女には夢があり、家族愛が育まれました。


 この少女が生きた四川省の農村部では、1人当たりの年間現金収入は1000元(約1万4000円)も届かないと聞いています。ですから治療費の30万元というのは、年間収入が500万円の人が15億円の治療費を負担するようなものです。

 日本では医療保険が機能しているため、400万円の自己負担はありえないかな。
 この制度を維持するために、日本の納税者は様々な抑圧を甘受しているわけ。
 保険制度の穴が、移植医療で、脳死反対という政治的な問題。


 ああ、つまり、日本も保険制度を無くし、医療費を高騰させ、社会的制約に束縛される管理型社会から日本を解放してくださるのね。保険医療から募金医療へ。募金が集まれば治療ができて、募金が集まらなければどうなるんだろ。家族に見守られながら安らかに血を吐くのね。