本当は無かった産科・小児科のの危機!?

http://megalodon.jp/?url=http://med-legend.com/mt/archives/2006/10/post_967.html&date=20061028220049

まず第一に、妊婦が意識消失を起した時、なんでCTを撮らなかったのだろう。レントゲン技師が当直していなかったといえ、呼び出せばいいのだし、移動させると状態が悪くなると危惧したという説明は、遠方に転送させようとしていたことと整合性がない。ここで脳出血が発見されていたら、転送はかなり容易になっていたと思われるし、予後を示して患者家族を納得させることにもつながっただろう。

結果論的に意識消失・けいれんを子癇だという判断は間違っていたのだが、それを問わぬ事にしても、その判断からは、次ぎにやるべき事は胎児の早期娩出ということになるのではないか。帝王切開になるにせよ、最先端病院でないと出来ないことではなく、産直医師以外に外科系と内科系の当直医が揃えられるような病院なら充分対応出来た筈である。そりゃ取り出される子供にもリスクは高いだろうから、NICUのような設備があるに越したことはないだろうが、ほっときゃ母子とも共倒れなので、まず母体をを優先する判断になるのは致し方なく、現に家族もそれを望んでいたと報道されている。

制度の矛盾と人々の無理解から、産婦人科医や小児科医は次々に現場を去っていると言われるのだが、、実際は産婦人科医数の減少というのはそう目立つものではなく、出生数の減少ということからみれば、少なくとも2年前までは実質的減少ということはない(資料1、2)。小児科医はむしろ増えているぐらいである。

 産科に関しては、分娩を受け入れない病院が増えたと報道されているので、開業にシフトしたのかも知れないが、その場合お産を受け入れない筈もなく、そんなに「産科医療の危機」といえるような事態があるのかと思ってしまう。大体、お産は病気ではないのだから、全てのケースに医者が関わらないといけないとも思えない。後継者がいない、皆現場を去っていくというなら、開業助産婦さんなどをもっと育て、リスクの高いケースに集中して、臨機応変に関わるような体制に変えていくのがスジではないだろうか。

 んー、他のブログなどの意見とちょっと違う、医師の意見。
 真実がどこにあるのか、判断できる立場ではないので、できればお友達の産科医・小児科医とお話していただいて、その結論を聞いてみたいものだ。