人間本来の回復力

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://kengo.preston-net.com/archives/002777.shtml
どうも、自然治癒力とか回復力とか、そういう言葉は好きでないのです。じゃあ、切れた尻尾が生えてくるのか。近視が元にもどるのか。
それはそれとして、ちょっと説明。


このへんで詳細な説明があるので、興味のあるひとはこちらで。
http://www.wound-treatment.jp/


 結局、傷が治る、ということは、どこかから細胞がやってきて増えていくことです。
 水がなければ細胞は増えません(ある種の芽胞は、乾燥に耐えますが、乾燥条件で増えるかどうかは不明。いや増えないって)。人間の体も同じ。乾いたところで細胞は増えません。昔、乾かせと言ったときでも、乾いたカサブタの下に湿潤環境が成立し、そこで細胞が増えて「治った」わけです。
 キズにガーゼを当てると、キズを乾かし、そしてせっかく出来たカサブタも、一緒に剥がしてしまう(これが痛い)ので、治りが悪くなると言われます。なので、湿った環境を維持するために、いろいろ工夫しているわけです。ここで、一段階め。
 じゃあ、びちょびちょならいいか、というと、そうでもない。単なるびちょびちょの水は、細菌の繁殖母地となります。特殊材料に吸収させ、適切な湿度に調整するのが「キズパワーパッド」みたいな特殊材料派。ラップ貼って、余った水は周りのガーゼ(や絆創膏)に吸収させりゃいい。毎日洗えば化膿しないよ。というのがラップ派。


 アナロジーとしては、

  1. マグロの切り身を、皿に放置するとカピカピになる。
  2. 皿にラップを掛けると、新鮮さが保たれる。
  3. 肉汁(魚汁?)でベショベショになるのが気になるなら、切り身の下に大根の千切りとか、ポリエチレンスポンジを敷いておくといいかも。
  4. 冷蔵庫の無い昔なら、干しマグロも美味しかったかもね。

 こんなところ。


常識といえば、

  • 化膿創は、つぶさない:戦国時代はこういう常識があったらしい。ソース無し。すると、出口を失った、ばいきんは体に回り…
  • 白米は体にいい:そうやって白米ばかり食べた結果、日清戦争では直接の戦死者の13倍の脚気による死亡がでたとか*1。あ、戦争がなければこういう死者もでなかったので、森鴎外には責任はありませんね。清国の間接殺害です。という冗談です。
  • 下痢を止めるためには水を飲まない:むにゃむにゃ。医療機関の指示に従ってください。ちなみに、コレラは非常に怖い伝染病といわれますが、塩(とブドウ糖重曹)水を飲んでいれば、そのうち治ります。*2
  • 日焼けすると健康になる:健康な人が外で遊ぶと日焼をしますが、日焼をすれば健康になるわけではないようです。オーストラリアの例*3

*1:http://homepage3.nifty.com/yoshihito/moriougai.htm

*2:経口輸液とは、ORS(Oral rehydration solution)と呼ばれる電解質液(水1リットルに対して、ブドウ糖 20g、塩化ナトリウム3.5g、炭酸水素ナトリウム2.5g、塩化カリウム1.5gの割合で溶解したもの)を与え、排泄した下痢と等量を飲ませるものであり、これによって未治療では80%に及ぶ死亡率は1〜2%にまで改善され、重篤化しやすい小児でも10%以下になる。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%83%A9

*3:http://antipode.wordpress.com/2006/07/02/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%82%A2%EF%BC%8D%E6%9C%89%E5%AE%B3%E7%B4%AB%E5%A4%96%E7%B7%9A/