"ハイテク兵器 vs イラク"

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アメリカ陸軍が誇る最強の戦闘ヘリ AH-64D アパッチ・ロングボウのイラク駐留機から、その象徴でもあったミリ波レーダーが取り外されることになったそうだ。Defense Tech が伝えている。
この記事によると、イラクで使われる戦車としてはM1A2戦車よりも一つ前の型になるM1A1戦車の方が好まれているようだ。砂でジャムり続ける M-16 ライフルに業を煮やした兵士は M-14 の支給を求めている。空軍機としても F-22A よりも F/A-18D の方が役に立っているらしい。最先端のハイテク兵器はどうも人気が無い。
まあ考えて見ると当然のことではある。ハイテク兵器の多くはソ連との冷戦時代に構想されたもので、物量で攻めてくるソ連軍を少数のハイテク部隊で押し留めるという発想で作られている。ミリ波レーダーも、稜線の裏からアンテナだけを出してソ連軍戦車を探知しヘルファイアミサイルを発射、といった使われ方が想定されている。しかしイラクのゲリラと戦う際にそのようなシーンはあり得ない。空中を巡航中のアパッチが突然ゲリラから携帯型地対空ミサイルの発射を受けて急回避を迫られる、といったシーンでは、重いレーダーを重心より高いところに載せていることの不利の方が大きい。

 量対質、という昔からの論争がある。
 ソ連製の安価な兵器対、アメリカ製の高価な兵器。
 イスラエル対アラブの空中戦、イラクアメリカの空中戦、そしてイラク多国籍軍の戦車戦で、一方的に英米の兵器が勝利して以来、ソ連製の安価な兵器の人気は、ちょっと落ちているとか。戦車とか飛行機ね。真偽は不明。ともかく、砂漠の戦車戦では、数キロの距離から英米の戦車はイラクの戦車を撃破し、ソ連の戦車は英米戦車の複合装甲を貫けなかった。あと、イラク戦争の際には、初期にハイテク巡航ミサイルや対レーダーミサイル、ステルス爆撃機による拠点攻撃なんかを散々やった挙句の今の状況なんじゃないかな。
 大規模な武力行使は、アメリカのイラン侵攻、北朝鮮の南進、中国の台湾侵攻、このくらいしかおもいつかないな。どんなもんやら。